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松岡柚歩 個展「冗長な月」2023.4.28-5.27

松岡柚歩 個展「冗長な月」2023.4.28-5.27

企画展

松岡柚歩 個展

冗長な月

2023.4.27fri - 5.27sat

13:00-19:00

close  sun/mon

オープニングレセプション / 4.27 fri  17:00-19:00

 

CANDYBAR Galleryでは初となる、松岡柚歩の個展を行います。

松岡の代表作である「outline」シリーズは、アクリル絵具で格子柄を描きその上に抽象的な色面を描いています。透明色や不透明色の重なりやグラデーション、盛り上げた絵具を用いることにより平面の中で奥行きや揺らぎを生み出しています。その色彩溢れる画面は、見る者を魅了します。

本展覧会では「outline」シリーズと、毛糸で編んだ作品シリーズを展示いたします。この毛糸で編んだ作品シリーズは、「outline」シリーズを描き出す前の2018年頃(大学3年生)に、絵具の乾き待ちの間に手元を動かすように編み始めたのですが、作品として意識して制作・発表したのは昨年の2022年からでした。

毛糸と絵具という、全く異なる物質での制作ですが松岡にとってはそれほど遠くないことだと言います。ペインティング作品では絵具を混色せずに絵具の素材のままの色彩を用いて描いていますが、混色することのない編み物は、松岡にとってペインティング作品の時と同じ色彩感覚で制作できる方法の一つです。

本展覧会では、ペインティング作品と毛糸の作品をひとつの空間に展示していますが、絵具と毛糸から生み出される色面の空間からは、豊かな色彩の他に不思議な気配のようなものを感じます。

この“不思議な気配”は、絵具と毛糸が持つそれぞれの物質が生み出す存在感が、気配となって色彩に現れてくるからではないでしょうか。

 松岡の生み出す豊かな色彩を、本展覧会にて見て感じとっていただけたらと思います。

 

 

「冗長な月」         

月がたくさん見える。

これは嘘ではなく、本当に私の目にたくさん映っている。

 昔から乱視を持っているが、年々酷くなっている。

何度か眼鏡も作り直した。

だが、特に遠くのものを集中して見ようとするとどうも複数に重なって見えてしまう。

 月はひとつしかない。

ないものが見えることと、

存在しているものの本当の姿が見えないこと。

 いつかはっきりと月が見たい。

 松岡柚歩



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